monakanoyume’s diary

夢に見たことのうち覚えているものを書き出してみます。

合宿してた夢

私は陶芸仲間の友達2人と、森の中に走る急斜面の道路を歩いていた。一歩を踏み出すのも辛い登り坂と、下り坂が、20メートルずつくらいの間隔で繰り返された、変な地形である。

私達は目の前の一番高いところまで登ると、道路の白線のすぐ右側が断崖絶壁になっており、遥か下には大きな川が流れていた。手前には木でできた、今にも崩れてしまいそうな手すりがある。ぼろぼろになった木の手すりの裂け目に白い毛のふさふさしたペルシャ猫が挟まっていて、顔だけこちらを向いていた。

「身体が木に埋もれている」と私はうろたえたが、陶芸仲間は手慣れたやさしい手つきで猫を引っこ抜いてくれた。衰弱はしているが、まだ生きている。

猫を抱いてもと来た道を歩いていると、道路の脇の少し茂みに入ったところに、小さな小屋を見つけた。プレハブ小屋のような、私達が普段使っている作陶場のような趣だ。

「すみません、誰か居ますか」と、これまた木でできた引き戸を右にずらすと、引き戸の奥にある作業机の前に、白髪のお爺さんが座っていた。聞くと、お爺さんは、この辺の動物達を管理する獣医なのだという。私達は安心してお爺さんに猫を預けた。

 

そこに12歳くらいの少年が現れた。手に火のついたタバコを持って、私達とお爺さんが小屋の中にいることに気付いて、慌てて隠そうとした。お爺さんは「コラ!子供のうちは駄目と言ったじゃないか。...ま、火をつけてしまったもんはしゃあねえな」と少年を手で外に追いやった。火をつけてしまったもんはしゃあないのか...と思いながら目で少年を見送る。どうやら少年は、学校などには行かず、ここでお爺さんの世話になり暮らしているらしい。猫たちと同じように。私は様子が気になり、部屋の外に出ると、即席で設置された喫煙所で少年がタバコを吸っていた。

少年は背を丸め、誰とも目を合わせようとしなかった。「あ、どうも」と喫煙所を私に半分譲った少年は、どこか自分は犯罪者であるといった雰囲気を纏っていて、ボリュームのある髪と目はどこまでも暗かった。

私は手元にあった日本の細いタバコを2本加えて火をつけた。なんだか疲れていた。そこに、高校時代の男友達が通り掛かり、私は面倒だったので顔を背けた。しかし気付かれた。「あれ、(私)ちゃんじゃ〜ん、どうしたの、タバコ吸ってるなんて」という彼も、タバコを口に加えていた。彼は、仲の良かった友達とかつて付き合っていて、ずっとこんな風に、軽い口調で話す、声の大きい人だった。うるせえな。早くタバコ終われ、と、私は大きく息を吸い込んだ。

 

小屋の中に戻ると、一緒に来たはずの陶芸仲間が居なくなっていた。「帰ったよ。もうすぐ夕飯みたいだしな」とお爺さんが言った。もう辺りは日が暮れていた。一言掛けてくれたっていいじゃない。私が暗いの苦手だって知ってるくせに。

私は小屋を出て、道路を横切り、反対側に広がる深い森の暗闇の中をかけていった。

 

合宿している場所に着いた。公民館を体育館くらいの規模にした建物で、2階に上がると緑のシートが敷いてあり、大勢の人で賑わっていた。部屋に置いてある和太鼓やお琴などの和楽器は、地域の人のご厚意で、今晩は自由に使っていいらしい。

だだっ広い部屋の右側で友人達がシートの上に輪を作って座り、各々パラティッシのような碗に蕎麦を入れて手に持っていた。私は高校の部活が同じだった子達が2.3人程座るところに腰掛けると、友達は少しずれて、入れてくれた。そのもうひとつ隣には、私が以前好きだった人が座っていた。試合前、私達はよくこうして体育館のような広い空間の隅に固まって座り、軽食をとった。

彼女は私と目を合わせようとしなかった。夢の中ではいつもそうだ。しばらくすると、部屋の隅にある椅子に腰掛け、犬をあやしながら一人蕎麦を食べ始めた。私達は声をかけなかった。声をかけられたくないという空気を感じるのだった。

通りすがりに彼女に軽い口調で話しかける男子と、彼女がそれに応じる様子を、私は遠くで見ていた。部屋を満たす物音が、2人の中に吸収され、消えていくようだった。

 

場面が変わり、私は小さい頃に住んでいたマンションの庭で、土を集め、虫籠の中に入れていた。その土の中にはカブトムシが3匹いた。カブトムシは生きていたが、私はシャベルで土の中に埋めた。

そして庭から部屋に入ったところにあるアップライトのピアノの、鍵盤にあたるところに、土を広げて均一にならした。その上に鍵盤を被せ、楽器は完成するのだった。まだ幼い私は、お守りのような気持ちでその土のなかに、雌のカブトムシを仰向けに忍ばせておいた。

しかし、鍵盤を被せるという段階になると、急に焦り出した。鍵盤を力強く押したら、そのカブトムシはぐしゃぐしゃになって、死んでしまうではないか。私は心臓が押し潰されたような気持ちになったが、その後に鍵盤を閉じようとする親にカブトムシをどかすよう泣いてせがんだのか、黙って見届けたのかは、今はもう覚えていない。